2005年10月04日

災害時の人間の行動

To those who give their lives so that others might live --
To the fire fighters of the world --
This picture is gratefully dedicated.

”人命を救うために自分たちの命を犠牲にする全世界の消防士にこの映画を捧げる”

パニック映画といえば、何を思いつくだろうか。ツイスター、アルマゲドン、ボルケーノ、デイ・アフター・トゥモローなどなど。

しかし、忘れてはならないのが、元祖パニック映画とも言われる「タワーリング・インフェルノ」である。1975年に公開されたこの映画、 公開当時は僕はまだ生まれてないので、テレビで放送されていたのを見たのが最初だ。ちょうどこの映画を放送しているとき、 親戚一同が家に集まっていて、皆で見ていたのを今でもはっきりと覚えている。

母親がポール・ニューマンが好きで、レンタルビデオ屋へ行くときにポール・ ニューマンが出てる映画を何か借りてきてくれと頼まれた時に借りてきたのがタワーリング・インフェルノだ。母親は「ハスラー」とか、「明日に向かって撃て」 とかを期待していたらしいが、いかんせん行ったビデオ屋の品揃えが悪く、ポール・ ニューマンの映画で僕が知ってそうなのはタワーリング・インフェルノしかなかったのだ。

当時は小学校低学年ぐらいだったから俳優とかを全然知らなかったが、ある程度成長してから見てみると、 実は結構豪華なキャストであることが分かった。ポール・ニューマン、スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、 O・J・シンプソンなど。
タワーリング・インフェルノ
これだけの豪華キャストを集めているにもかかわらず、ポール・ニューマンは設計士のダグ、スティーブ・ マックイーンは消防隊長のオハラハンなど、それぞれの役割が確立されているため、単なる顔見世興行的な作品になっているところが素晴らしい。

災害を扱っているものだから、当然たくさんの人が死ぬ。だが、その死というものが軽視されていないのだ。 さすがに死者全員の死をクローズアップというのは不可能だが、何もできずに死んでいく人、火事に立ち向かって死んでいく人、 愛する人を守って死んでいく人、自分だけが助かろうと、エゴをむき出しにして醜く死んでいく人などさまざまである。 僕は幸いこういう大災害に直面したことはないのだが、実際に起こったらこの映画のような光景が生まれるんだろうか。

どこかで聞いた話だが、震度7以上の地震が起こったとき、7割程度の人間は行動不能になるんだそうだ。これが本当だとすると、 防災訓練なんて果たして役に立つんだろうか。この映画を見ると、防災訓練なんて何の役にも立たないんじゃないかとも思える。昔言われた 「おかしの約束(押さない、駆けない、喋らない)」なんていうものはどこ吹く風。 皆自分が助かりたい一心で押すだろうし駆けるだろうし喋るだろう。避難経路を確認するという意味合いもあるのかもしれないが、 そんな心境になった人間にそんな冷静に避難経路を渡って避難、なんてことができるだろうか。

それと、この映画では、起こった火災が自然災害なのではなく、明らかな人災であるということもきちんと描写されている。 危機管理の甘さだって、オハラハン消防隊長とこのビルのオーナーであるダンカン社長とのやり取り、 ダンカン社長とその義理の息子とのやり取りを見ていれば一目瞭然。

手抜き工事、危機管理の甘さがどういった結果を招くかということを警告している。こういう危険は一般の家屋にだって潜んでいるし、 この映画の舞台である138階建てのグラスタワーのような高層ビルだったらなおのことだ。

この映画、消防士たち捧げている映画だが、ゼネコン業者にも見て欲しい。この映画を見て、 手抜き工事の結果がどういう危険性を孕んでいるかということを分かってもらえると、泣きを見る人たちが減るし人災だって減らせる。

最後のスティーブ・マックイーン演ずるオハラハンの台詞で「今にこんなビルで1万人以上の死者が出るぞ」っていうのがあるんだが、 この映画ができた26年後の2001年に、まさかあんなことがあるとは誰も予想しなかっただろう。まあ、ビルを建設した側も管理した側も、 あんな風に旅客機が突っ込んでくるなんて思わなかっただろうけど。

それにしても、スティーブ・マックイーンはカッコいいわぁ。男の僕が言うのも何だが、彼は男が見てもかっこいい男だ。 残念ながら25年も前に肺ガンで亡くなってしまいましたが。

全然話は違うけど、地元のほうのガソリンスタンドに、スティーブ・マックイーンに似てる人がいるのだ。なんとなく目つきと鼻が似ている。 ちょっとうだつの上がらないスティーブ・マックイーンという感じだ。

心に残る名台詞
オハラハン消防隊長(スティーブ・マックイーン)
「このビルだけは燃えないと思ってた」
「安全な火事はない」
「今にこんなビルで、1万人の死者が出るぞ」
ダグ・ロバーツ(ポール・ニューマン)
「人が安全に過ごせる建物のはずだった」
「コストを削るなら階数を削れ」
「”法規”は苦しい時のいつもの逃げ口上だ」

”人命を救うために自分たちの命を犠牲にする全世界の消防士と、儲け主義に走るゼネコン業者にこの映画を捧げる”

posted by ホアキン at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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